＜10＞

「うん、わかった…。」
ヒカリはタケルとの通信を終了させた。
「ヒカリ、タケルはなんて？ミミは無事なの？」
パルモンはヒカリにつめより、泣きそうな声で尋ねた。
その様子に、ヒカリは申し訳なさそうにパルモンに告げた。
「…まだ、見つからないみたい。」
「アタシもミミを探しに行く！！」
「まて、パルモン！！」
ヒカリの言葉を聞き、飛び出していこうとするパルモンをネフェルティモンが
慌てて止める。
「今いっても、ミミを探す事は不可能だ。ここはやはり、光子郎たちに任せた方が
良い。ここで待つのが得策だと考えられるが…。」
「でも！！こうしている間にも、ミミに危険が迫ってるんだよ？
あたしは、ミミのパートナーだから…助けに行きたい…！！」
悔しそうに泣き崩れるパルモンをネフェルティモンも苦しそうに見つめる。
「その気持ちは、…誰よりもわかる。私もそうだったから。ヒカリが
大変なときに、私は助けにいけなかった…。」
「ネフェルティモン…。」
ヒカリはおもわず、ネフェルティモンを見つめる。

そう、ゲンナイの手から一つだけ落ちたデジタマ。
ひとりだけ、荒野を彷徨う。
どうしても、めぐり合えなかった。

「…ごめんなさい、ネフェルティモン…。」
「謝る必要はないよ。もう、済んだ事だし、こうやってヒカリと出会うことも出来た。」
「アタシは…どうすればいいの？」
パルモンは森を見つめながら、呟く。
なんと言ってよいかわからず、ヒカリは途方にくれた。

こんなとき、どうすればいいのか、わからない。

「祈ろう。祈りは何よりも強いのだから。ミミの無事を信じよう。」
「…うん。」